「北秩父別駅」紹介記事で書かせていただきましたが、ここ留萌本線の駅は朝夕高校へ通学する生徒が多く利用しています。
「秩父別駅」も例外ではありません。
今から3年前、ここ秩父別駅で起きたある出来事が全国的に報じられました。
2007年5月9日朝、ここ秩父別駅から深川行列車に乗る予定だった高校生26人をホームに残したまま列車は発車してしまったのです。(残された乗客はJRが用意したタクシーで深川駅に向かいました)
当時の報道によると、列車の定員(ワンマン列車)は126名で秩父別駅到着時列車内にはすでに60名近い乗客がおり、秩父別駅からの乗客が56名いたとの事です。
列車定員からすると詰めれば乗車できない人数ではなかったようです。
しかし乗客は運転手の「もう少し奥に詰めて下さい」のアナウンスに協力することなく運転席すぐ後のデッキに留まったままで奥に詰めようとしなかったのです。
この結果26名が駅ホームに残され列車は発車しました。
この時、JR北海道に対する批判と、乗車した高校生のマナーの2つが議論されました。
1.先ずJR北海道に対しては、毎日混雑している事がわかっているのにも関わらず何故車両を増結しないのか。
2.もう一方の高校生に対しては、もう少し奥に詰めれば乗れる状態にも関わらず何故そのような行動が取れなかったのか。
確かに双方の言い分にはそれなりの根拠があります。
そしてこの議論は翌日の出来事で沈静化してしまいました。
それは翌日このニュースを聞きつけたマスコミ関係者が大挙して秩父別に押し寄せ、同じ列車にこれら記者を含め約120名が乗車し運転されました。
問題となった前日は、90名を乗せ発車し26名が積み残されたと伝えられていますので、合計116名であれば乗車できたという事になります。
ただ一説には積み残しのあった前日の列車と記者が乗車した当日の列車では型式が違っていたとの話もあり、実際私は現地に居合わせた訳ではないのでその事実を確認した訳ではありません。
確かに車両を増結するれば解決できる問題なのかも知れませんが、赤字を抱えるローカル線ではなかなか簡単にそういう話にもなりません。
これは私見ですが、観光シーズン等における一般利用客の増加と違い、格安な通学定期券を利用される乗客を主とする列車を対象に、民間経営となったJR北海道としても採算性を考慮すると簡単増車できないことも頷けます。
要は考え方ではないでしょうか。
「お金を払って乗ってるのだから最低限のサービスを怠るな」
と主張するのか・・・
それとも
「国鉄時代からの公共性を引き継ぎ低料金の通学定期券で利用させていただいているのか」
と考えるかではないでしょうか。
答えは人それぞれ違うかと思います。
ただ、民間企業であるJR北海道は路線存続のため最大限の経営努力をしています。
それを考えると路線存続のためには利用者もそれなりの協力も必要ではと私は考えます。
秩父別駅から深川駅の大人片道運賃は220円です。
ちなみに同じ区間を走るバス料金は350円です。
本当に混雑を避けたい人はバスを利用する方法もあります。
この時のニュースはある意味ローカル線存続に関する一面を投げ掛けた問題でもあったように思います。
鉄道ファンからすれば引き続き路線が残り続けていただける事を望んでいます。
そのためには多くの方がそれぞれの立場でそこに鉄道がある事に感謝の気持ちを持つ事が必要ではないでしょうか。
車社会が主流になり、高速道路の割引や無料化により列車利用者が激減しています。
鉄道を存続するためには列車を利用することが一番です。
私は最近地方で開催される会合にはできるだけ列車で行くように心がけています。
皆さんも改めて鉄道利用に目を向けてみませんか?
「頑張れ空知!!」
私も応援します。
●「秩父別駅」 ※wikipediaより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%A9%E7%88%B6%E5%88%A5%E9%A7%85
■「秩父別駅」はこちらです。
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永江聡