旅チャネルの中に「全国秘境駅ファイル」という30分番組があり、秘境駅訪問家である牛山隆信さんが毎回2つの秘境駅を紹介しランキング解説するものでした。
http://www.tabichan.jp/travelogue/hikyo_file
全道の温泉歩きも一息付き元々鉄道ファンだった私はこれを見て一気に秘境駅の魅力に引き込まれていったのです。
先ずは牛山隆信さんのHPサイト「秘境へ行こう!」を訪ねそのランキングを確認したのです。
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/
その時日本一の秘境駅が室蘭本線「小幌駅」であると知ります。
北海道にある「日本一」と聞けばこれは行くしかありません。
しかし「小幌駅」は日本一の秘境駅と言われるだけあって普通の駅ではありません。
通常の駅であれば駅近くまで車で行くことができますが、ここ小幌駅には駅へ通じる道がありません。
先ずはこちらの地図をご覧下さい。
そうなんです。
一般の人が小幌駅に行くには列車に乗って行かなくてはならないのです。
日本一の秘境駅と言われるだけあってその到達難易度は最高級なのです。
ということで2008年(H20)10月22日、私は小幌駅訪問を決行しました。
札幌から列車を乗り継いで訪問する方法もありますが、時間を効率的に使用するため礼文駅まで車で行きそこに車を駐車し列車に乗り一駅先になる小幌駅へ向かうこととしました。
こちらが礼文駅です。
8:26発の長万部行に乗車します。
駅名標です。
こちらが長万部方面です。
さて、長万部行きの列車が到着です。
1両編成かと思いきや3両編成でした。
車内には数人の乗客です。
乗車すること8分で小幌駅に到着です。
小幌駅は先程の地図でもおわかりいただけるようにトンネルとトンネルの間にある駅ですが、上り列車の場合駅のホームがトンネル出口直後にあるため今回の3両編成では先頭車両のみがトンネル外に出ている状態です。
ここ小幌駅で下車したのは私一人でした。
列車が出発した後、上りホームを見るとこんな感じです。
帰りの列車時間を念のため確認しておきます。
ここは複線区間ですので構内踏切を渡り下りホームへと向かいます。
帰りは9:24発の東室蘭行きに乗り、車を置いてきた小幌駅に戻ります。
小幌駅滞在時間は約50分間になります。
こちらが長万部方面です。
そしてこちらが東室蘭方面です。
駅脇には保線関係の詰所と思われる建物がありました。
こちらが下りホーム端にあった建物です。
そしてこちらが上りホームから海岸線方面へ向かうちょっとだけ高い場所にありました。
駅から海岸線へ向かう道です。
以前この左手に待合室もどきがありました。
そしてそこに住んでいる(?)住人がいた事が牛山隆信さんの訪問記に書かれています。
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/koboro.htm
多くの人はその住人を「小幌太郎」さんと呼んでいました。
後にその住人は急病で倒れ、ここに来た釣り人の通報によりヘリで緊急搬送されましたが残念ながら亡くなられました。
その模様は当時テレビで生中継され話題になりました。
その後待合室は撤去されました。
海岸方面の道を進むと「小幌洞穴遺跡、岩屋観音」の案内看板があります。
この先細い山道を海岸線へ下って行くのですが、片道20分以上かかるためこの時はここで引き返します。
再び帰りの下りホームで待っていると構内踏切の警報がなり遮断機が下ります。
下り「北斗星」が通過していきます。
しばらくするとまた警報がなります。
今度は上りスーパー北斗が通過します。
そしてさらに下り貨物列車も通過です。
ここは道南(函館方面)と道央(札幌方面)を結ぶ大動脈だと感じる事ができます。
通過列車を見ているだけでも鉄道ファンには十分楽しめます(笑)
帰る前に駅名標前で記念撮影です。
さて帰りの列車がやってきました。帰りは1両編成です。
50分間の小幌駅滞在でしたが天気にも恵まれ実に楽しい時間でした。
帰りの列車から小幌駅に下車された方はいなく、乗車したのは私一人でした。
小幌駅乗車から8分、無事礼文駅に戻って来ました。
最近、小幌駅は廃止問題でマスコミに取り上げられその動向が全国から注目を集めています。
小幌駅周辺は世界ジオパークである「洞爺湖有珠山ジオパーク」に認定されています。
http://www.toya-usu-geopark.org/
単に鉄道マニア向けの秘境駅という視点だけでなく地域にある世界的観光資源活用のためにも小幌駅を末永く存続させていただきたいと願っています。
牛山隆信さんはご自身のHP「秘境駅へ行こう!」の中で「ナンバーワン秘境駅」と題して今年8月1日付けで小幌駅への思いを書かれています。
http://hp1.cyberstation.ne.jp/hikyoueki/no1%20hikyoueki.html
この小幌駅訪問を機に私の秘境駅巡りは始まったのです。
今後、温泉マンの思い出の駅探訪シリーズで私が訪ねた秘境駅を時々紹介していきたいと思います。
こんな素敵な秘境駅という場所をランキングされた牛山隆信さんに一度直接会って秘境駅への思いを聞いてみたいと思っていました。
その夢が一昨年実現することができました。
牛山さんが秘境駅訪問のため一旦空路北海道へ入られ夜の「はまなす」で東北の秘境駅訪問へと向かわれる迄の時間札幌でお会いしてお話しを聞く事ができました。
その際私所蔵の牛山さんの著書を持参したところ快くサインしていただきました。
私からささやかな御礼として「鉄道マン&温泉マン タオル」をプレゼントさせていただきました。
この時私以外に、鉄道大好きなプロカメラマンの方も一緒に歓談させていただいたのですが話しが尽きません。
そして「はまなす」に乗車される牛山さんを見送りに札幌駅へ。
秘境駅訪問家の牛山さんもやはり「はまなす」の大ファンでした。
今、北海道ではそうした秘境駅の一部そして夜行寝台の廃止が決定しました。
またいつか牛山さんの秘境駅訪問に関する熱い思いを聞いてみたいと思っています。
小幌駅全体の様子は下記のパンラマ写真でご覧いただくと全体像がわかりやすいと思いますのでご覧下さい。
■「小幌駅」パノラマ写真はこちらです(パノ鉄本舗)■
http://www.panotetsu.com/jr_hokkaido/04_muroran/03_koboro/hq_koboro_tour/tour.html
■ 「小幌駅」はこちらです■
この記事へのコメント
沖密田歌音(不適切と思われたら即削除して下さい)
小幌を有名にした方はほかにもいらっしゃるようで、
「駅ノート」のボックスを下りホームに備え付けた
「水瀬雅美」さんのいう方がいらっしゃいます。
ご自分のやっている行動(小幌駅周辺の調査・研究発表?等)について
若干の矛盾を感じながらも、おそらく駅存続を含め
精力的に取り組まれているようです。
自分らは親しみ?を込めて「そうなんのおねぃさん」と呼んでます。
牛山さんについて申し上げさせていただければ、
ご自分で立ち上げたとはいえ、「秘境駅」という
ジャンルを「インターネット」に取り上げてしまったがために
予期しえなかった「デメリット(?)」に対して、
一身に責任を負おう(背負いすぎる)としている感じがします。
確かに「ランキング」などの導入点では
「ネット」の恐ろしさを予想できなかった想定外の点もありますが、
昨今「ネット」に依存している(せざるをえない麻薬の如き媒体)
自分らを含めた日本人にも抱える問題がありです。
・・・すいません「ひとりごと」ですまさせてください。
・・・沖密田歌音(お二方とも意見相違はあれ尊敬しています)
温泉マン
小幌駅に関してはJR北海道の廃止案が出てから今まで以上に注目されるようになりました。
小幌駅に限らず多くの無人駅を愛するファンの方がいらっしゃる事は地域にとってとても素晴らしいことだと思います。
駅ノートに関しては私も某掲示板に以前良出没していましたので「水瀬雅美」さんの事は存じ上げています。
確かにネット・スマホ普及により誰でも手軽にニッチな情報を得られる時代になりました。
牛山さんは純粋にご自身が感じた秘境駅の静寂性やローカル感を多くの方に知っていただきたいとの思いで情報提供されていたのですが昨今のネット時代により想像以上の反響を呼び多くの方が訪れるようになってしまったのだと思います。
「秘境駅」というもの知った事により今まで気付かなかった何かを与えてくれたのだと思います。
牛山さんのランキングを頼りに秘境駅巡りを始めた方も多いと思います。はい、私もその一人です。
温泉の秘湯もそうですね。山中の中にひっそりとあった露天風呂に多くの方が訪れるようになったのはやはりネットの威力です。
こうした問題は人ぞれぞれによって感じ方、捉え方に違いがあると思います。
常識的なマナーを守り個人個人がそれぞれの思いで秘境駅を訪ねていただけたらと思います。
今回の廃止論議は全国にある秘境駅を抱える町にとっても小幌駅の今後の動向が大変気になることと思います。