北海道観光列車モニターツアー

北海道(総合政策部交通政策局交通企画課)では昨年度、北海道新幹線開業により、今後、ますます来道者数の増加が見込まれる中、道内周遊の促進や交流人口の拡大を図る観光列車は、開業効果を全道に波及させる有効な手段となり得ることから、観光列車を北海道の観光資源として更に磨き上げるためには、どのようなあり方が適しているのか、沿線地域や有識者の意見を踏まえながら、運行可能性を調査、検討し、北海道ならではの新しい旅の手段としての観光列車を提案するとともに運行実現に向けた機運情勢を図ることを目的として「観光列車運行可能性調査事業委託業務」を発注しました。


今年2月、札幌と弟子屈町にてその業務結果について報告する観光列車フォーラムが開催されました。
※いすみ鉄道社長ブログより(鳥塚社長は観光列車可能性検討会議有識者メンバーです)
http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=2775


その概要版は下記サイトにてご参照いただけます。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/tyousagaiyou.pdf


その後その報告を受け、今年度いよいよ運行体制や旅行者動向、地域の受入体制等を具体的に検証・調査するため、地域と連携したモニターツアーを実施することとなりました。

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http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ss/stk/kanko_train_tours.htm


モニターツアー催行は北海道から委託された「日本旅行」が実施します。


モニターツアーは全3コース設定されましたが、今回募集があったのは2コース3ルートです。

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※上記2コース3ルートは「全席満席」となり現在発売しておりません。




9/15(金)15時に発売開始となり
「道東ハイライト・感動本線ふれあいの旅・2泊3日(根室・釧網・石北本線)」20分で完売

そして「大地の恵み体感1泊2日最北への旅路・宗谷本線【旭川発~稚内~旭川着、片道バス使用】」も翌日14時には定員に達し、なんと23時間で今回発売分(約300席)は満員御礼となりました。





※来年1月の釧網本線日帰りコース募集は改めて実施されます。
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今回のツアーが人気となった理由はネット上で専門家の方の意見が多く掲載されていますので詳細はそちらを参照いただくとして、今回モニアーツアーに参加申込した者の一人としてその理由を考えてみました。


1.鉄道(リゾート用車両)を利用した「北海道」ツアーに大いなる期待感を持ち待ち望んでいた。
 ※広大な北海道の移動に鉄道が最適であるにも関わらずこうした列車運行が近年なかった。
  できれば「寝台列車」復活で1泊は寝台列車泊にも期待したい。

2.モニターツアーということでツアー料金がかなり割安(通常の半額程度)であった。
 ※逆に言えば今後このツアーが定常化した場合の料金設定が気になる。


3.途中駅での見学やバスを利用した観光スポットも周遊するコース設定である。
 ※列車だけでは北海道の観光スポットを全て巡ることは困難なのでバスの併用はとても良い考えである。


4.地域の方々との触れ合いも期待できる。
 ※ダイヤに余裕のある路線のため、駅での停車時間を長くしたり普段特急列車では停車しない駅へ下車し周辺観光を楽しめるのが新鮮で良い。


5.宿泊先ホテルでは夕食が付いていないため、現地を周遊する事による消費効果が期待できる。
 ※特に温泉地では一旦ホテルにチェックインすると翌朝まで宿の外へ出る方が少ない傾向が見られます。商店街や食堂・居酒屋などへ繰り出すことで町の賑わい創出も期待できる。

etc...




さて、今回はモニターツアーのため以下の事が参加条件となっています。



参加条件

・出発地から解散地まで全行程にご参加出来ること。

・ツアー終了後のアンケートにご回答いただけること。

・当日のマスコミ取材、ならびにツアーにご参加の様子を道のホームページ等で紹介される旨ご了承いただけること。




今回、幸先良く24時間以内で全コース満員御礼となりました。

これは今回のモニターコースが色々な意味で大変魅力であった事に間違いありません。



今回、「北海道ならではの観光列車の運行に向けた検討会議」を設置いただいた北海道総合政策部交通政策局を始め観光列車モニター運行実現に向けご尽力いただきました、国、経済団体、旅行会社、有識者そして沿線自治体、沿線住民の皆様に心より敬意を表したいと思います。


北海道観光マスターの一人として、このコース設定はとても素晴らしいと思います。

ただ温泉大好き人間の私としては、今回のコースで温泉入浴がないのがちょっぴり残念です・・




しかしながら、これはゴールではありません。

またスタートラインでもありません。
それは今後末永く継続するためには多くのハードルを乗り越えていかなくてはならないからです。


そのためには今回参加された方のアンケート結果がとても重要になってきます。


またそれと並行して私は道民の一人として是非行動してほしい事があります。


それは今回実行する3コースが北海道観光列車コースの全てではありせん。



今後永続的に北海道の魅力を楽しんでいただくためにも以下の点が重要ではと考えています。

1.今回のコースで立ち寄り先になっていない自治体やその観光スポットへの呼び込み
 ※今回うちの町は立ち寄り対象になっていないからと傍観することなく次回以降に向けた自分のまちならではの特徴を活かしたプランを積極的にご提案いただけたらと思っています。

2.今回のコース以外での路線を利用した観光列車プラン
 ※今回の運行のアンケート結果関わらず、今後北海道における観光列車ニーズが増大すると確信しています。そのためにも今から多くの自治体で新たな観光列車コースプランをご提案いただければと思っています。

3.最近の旅行形態はSITSpecial Interest Tour)志向とお聞きしています。SITとは特別な目的に絞った旅行のこと。こうしたニーズに応えるプラン構築が今後望まれます。
 ※その地域でなければ体験できないプラン策定により、それを目的に来られるリピーターを増やす事が肝要です。
   欧米人にこのタイプ傾向が多かったのですが最近多くの旅行者にもその志向が強くなっています。

4.補助金がなくても通常の商業ベースで成り立つ料金設定と魅力あるコースプラン設定。
 ※往々にしてモニターツアーでは補助金(助成金)がある時は多くの利用者がいますが、次年度以降この予算がなくなった段階で利用者が激減する事例が数多くなっています。自立できる魅力あるプランが鍵になります。

etc...




すなわち、今回のような臨時列車運行でなく定期列車や二次交通を利用したプランやLCCとの連携を含むコース設定も望まれます。


臨時列車の場合、事前の列車ダイヤ策定、車両(運転士)確保などJR北海道を中心に多くの関係機関との調整に時間を要します。

定期列車で可能な範囲で検討すれば実現性はもっと大きくなるのではと思いますし、そもそもJR北海道の利用客増進策の観点から理にかなっていると思います。


2020年、北海道の7空港(新千歳、函館、釧路、稚内、女満別、帯広、旭川)が民営化の予定です。

今後は北海道周遊観光の在り方について、鉄路を有する沿線自治体はもちろんのことですが、空港や道路網を利用し、沿線住民の応援をいただきながら早急に検討いただくことが大切だと思っています。


広大な北海道では鉄路の利用がベストですが、高速道路や高規格道路や道内に点在する空港を有効活用すれば、もっともっと多くの観光客に来ていただけるものと思います。

それと、道北、道東方面では北海道新幹線開業の恩恵をあまり受けていないとのご意見を良くお聞きします。

とすれば身近にある空港に国内外からLCCを利用いただき、その後鉄路やバスなどの二次交通を利用いただければまだまだ観光客増大を見込めると確信しています。



今回の観光列車運行はJR北海道路線維持問題が発端と言っても良いでしょう。

これを契機に北海道の交通網と観光客誘客について多くの視点から議論いただけることを切に望んでいます。


私の生まれ故郷「空知」は全道屈指の「お米」「野菜」「蕎麦」「大豆」の産地です。
http://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/
http://sorachi-de-view.com/


そしてワイナリーが数多く集積し日本酒、地ビール、どぶろく(特区認定)も製造されている地域でもあります。
http://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/ss/srk/soracchi/sub/wineguide/top.htm
http://www.sorachi.pref.hokkaido.lg.jp/ss/srk/bussan/280328sake.pdf

■小林酒造株式会社HP
http://www.kitanonishiki.com/

■金滴酒造株式会社HP
http://www.kinteki.co.jp/


生まれ故郷の地域資源を活かし「食」「健康」そして「美肌」をテーマに列車と路線バスを利用した「田舎の日常体験ツアー」を企画しています。


そう言えば今回の観光列車モニターツアーに、温泉を活用した美肌に関する第一人者の方と数々の温泉活用アイデアでヒットを飛ばす某温泉宿エリアマネージャーの方も参加されるとお聞きしています。


ツアー内で秘密会議を予定していますのでよろしくお願いいたします。



※こうしたモニターツアーが実施されると「撮り鉄」と言われる人達がコース沿線に多くやって来られます。
 中にはマナーの悪い方もいらっしゃり昨今社会問題になることもありますが、多くの方はこよなく鉄道を愛する「紳士、淑女」そして「少年、少女」の皆様です。

 鉄道会社によってはこうした「撮り鉄」の方々を敬遠される所もあるようですが「撮り鉄」は地域経済に寄与いただく大変大切なお客様です。

 その理由は下記いすみ鉄道社長ブログ記事をご参照いただくとご理解いただけるかと思います。
 http://isumi.rail.shop-pro.jp/?eid=2992

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