温泉と私 #4 「湯けむりの旅北海道 3/76」  蟠渓温泉

「湯けむりの旅北海道(76湯)」備忘録3湯目は「蟠渓温泉」訪問記です。
もしかするとどこにあるかおわかりにならない方もいらっしゃるかも知れませんが、胆振管内壮瞥町にある温泉です。
「蟠渓温泉」にはいくつかの温泉施設がありますが、本で紹介されているのは「伊藤温泉旅館」です。


もしかすると「伊藤温泉旅館」と聞いてあまりピンと来ない方がいらっしゃるかも知れません。

しかし「ひかり温泉」と聞けば、

「あぁ~、あそこですね」

と答えられる方が多いことと思います。



開湯は明治16年(1883)です。

今年135周年を迎える歴史ある名湯です。

画像



かつて蟠渓温泉には胆振線という鉄道がありました。

と言ってもここに鉄道が開業したのは温泉開湯57年後の1940年(S15)です。

ひかり温泉裏手を走っていて、徒歩数分の場所に「蟠渓駅」がありました。

画像



今もホーム跡を確認することができます。

画像




しかし、残念ながら「伊藤温泉旅館(ひかり温泉)」は今年5月連休明け134年の歴史に幕を閉じ閉館となりました。

現在入浴する事はできません。



今回の備忘録は休廃業の名湯・秘湯を紹介するのがメインではないのですが、出だしから3湯が休業(閉館)になっている事は温泉ファンとしては大変残念な気持ちで一杯です。


我が家が本格的な温泉歩きを始めて30年余り、これほど多くの湯に入れなくなっていることを改めて思い知らされます。




ひかり温泉の初訪問は確か1990年前後だったと思うのですが、当時の写真(ネガ)が見当たりませんので近年再訪した時の写真でご紹介させていただきます。



国道脇の看板もかなり色褪せています。

画像



温泉正面です。

画像



玄関を入ると右手に受付があり、この缶に入浴料400円を入れます。

画像

画像



浴室へ行く途中に休憩室がありますが何とも賑やかな感じです。

画像



それでは先ずメインの浴槽に行ってみます。

画像

画像

画像



それでは入らせていただきます。

画像


何とも極楽気分です。


そしてひかり温泉の凄いところは、入浴料400円で他にある3種類の浴槽を堪能できる点です。

こちらは「ひのき風呂」です。

画像

画像



その他に「石風呂」「家族風呂」があります。
しかも追加料金なしで利用できました。

画像

画像



残念ながら私訪問時、石風呂、家族風呂は先客いらしたので入浴できませんでした。


これら浴室の様子は下記「むしゃなび!」さんのブログでご参照いただけましたら幸いです。
http://www.mushanavi.com/mpage/?NO=22846


それにしても入浴料400円で利用できるこんな素晴らしい温泉が閉館してしまったことは慚愧に耐えません。



本の中に宿ご主人へのインタビューに対するコメントが記されています。

蟠渓温泉のいいところは何もないことです。名もない温泉で、たいした期待もせずに来て下さるせいか、

かえって何かいいものを発見して帰っていただけるのではないでしょうか。





これに近い言葉、どこかで聞いた事があります。


そうです、赤字ローカル線再生旗手である「いすみ鉄道」前社長、鳥塚亮さんが創作されたあの名コピーです。

画像



いすみ鉄道は今全国から注目され大幅に収益改善となりましたが、ひかり温泉の場合ちょっと時代を先取りし過ぎてしまったのでしょうかww



最近、SNSで温泉の良い情報、またその反対情報もリアルに伝えられる時代になりました。

温泉ファン心理としてはこうした隠れ湯は外部に広めることなく自分だけの湯として閉まっておきたい方が多いかと思います。



しかし、利用者が少なければ閉館もやむを得ないのが現実かと思います。

温泉を末永く残すためにはやはり多くの方に利用していただくことが一番ですね。



※次回紹介の温泉は現在営業している温泉ファンならどなたでも知っている名湯です。



■「蟠渓温泉 伊藤温泉旅館(ひかり温泉)」はこちらです。 ※現在、休業中

この記事へのコメント

  • コメント欄に掲載しない希望

    蟠渓ひかり温泉の記事を読みました。新しい主人の元で、できるだけあの雰囲気を残し改築したりして、来年2021春以降(予定です‥)、ゆっくりと静かに日帰り温泉として再出発を計画してます。近くを通られることがありましたら、どうなってるか横目で見てやってください。
    2020年09月28日 01:27

この記事へのトラックバック