シリーズでお伝えしている、温泉研究家、松田忠徳氏が1987年に新聞連載記事を単行本にした「湯けむりの旅北海道(76湯)」備忘録16湯目は「北湯沢温泉」訪問記です。
今回ご紹介する温泉は「北湯沢温泉」です。
北湯沢温泉と言っても宿が数軒存在します。
今なら「北湯沢温泉」と聞くと多くの方があの大型温泉ホテルをあげられることと思います。
本で紹介しているのは「横山温泉旅館」です。
残念ながら現在、存在しません。
どこにあったかと言えばこの写真の矢印標識位置奥にありました。
Googleストリートビューで確認するとここです。
ちなみに、この反射式の大型矢印標識を何と呼ぶかご存じですか?
建設業、特に道路関係の仕事をされている方には常識問題ですね。
「シェブロンマーカー」と呼ばれています。
かつて国道453号横山温泉旅館前は急カーブだったため安全にかつスムーズに通行できるようルート変更が計画され、この標識奥に新しい橋が架けられ道路が直線構造となりました。
したがって、丁度橋の位置手前にあった「横山温泉旅館」は廃業となり建物自体も無くなってしまいました。
建物はこんな感じでした。
写真が見当たりませんので、水彩画風で再現させていただきます。
そして浴槽の様子です。
宿が無くなった跡では、しばらく源泉がそのまま垂れ流しになっていてテレビ番組でも紹介され、ここを訪れる温泉マニアも多くいました。
http://www.ntv.co.jp/dash/contents/onsen/04_onrei/index.html
そう言えば5年前この付近を歩いていたらこんな重機を見かけました。
横山温泉旅館は国道ルート変更により廃業となりまりましたが、私が北湯沢で良く立ち寄っていたのがこちらの「北湯沢山荘」です。
私は川のせせらぎを聞きながら入る露天風呂が大好きですので、ここの露天風呂はお気に入りでした。
残念ながらここも2007年4月休館となりその後廃業となりました。
当時、北湯沢温泉は小規模な温泉旅館が多くそれなりの風情を醸し出していたのですが、1996年(H8)に野口観光グループの大型温泉ホテル「名水亭」が開業し周辺の温泉事情は一変しました。
大型ホテル誕生により新たな雇用も生まれましたが、その反面、昔ながらの風情ある温泉環境は無くなってしまいました。
これも時代の流れかと思います。
■「北湯沢温泉(横山温泉旅館跡)」はこちらです。 ※廃業
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この記事へのコメント
suzy
建物と、赤い橋を渡っている写真です。
今はないのですね。懐かしい!