温泉と私 #18 「湯けむりの旅北海道 17/76」  新登別温泉

シリーズでお伝えしている、温泉研究家、松田忠徳氏が1987年に新聞連載記事を単行本にした「湯けむりの旅北海道(76湯)」備忘録17湯目は「新登別温泉」訪問記です。


新登別温泉と聞き、今では「旅館四季」を思い浮かべる方が多いと思います。

というか現在、新登別温泉で一般向けに営業する温泉宿はこの一軒のみとなりました。


新登別温泉誕生は大阪出身の料理人「川出さん」が1970年(S45)、温泉分譲地の広告に魅せられ土地を購入しその4年後の1974年(S49)「民宿新登別温泉荘」を開業した事に始まります。

我が家が、この新登別温泉の存在を知ったのは「ビッグラン北海道」だったように思います。



最初は日帰り利用で訪れたのですが、一度宿泊させていただきました。

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宿前でご主人と記念撮影させていただきました。


湯けむりの旅北海道、本の中でちょっとしたエピソードが紹介されています。

ご主人の川出さんが大阪から登別に来られた時は独身でした。

奥様はこの「民宿新登別温泉荘」を建てられた建築会社のお嬢様との事です。

人のご縁は大変不思議なものですね。



大型温泉地でリーズナブル価格で宿泊する場合、夕食の形態はバイキング形式が主流かと思います。

自分で好きな料理を好きなだけいただける点では大人はもちろんですが、子供達にとっては良いかも知れません。


しかし、こうした民宿ではご主人の料理が最高のおもてなしとなります。


例に漏れず川出さんは大阪出身の料理人で、その味は「天下一品」の美味しさでした。

ちょっとだけグルメ志向のカミさんが料理を絶賛していました。



宿には丁度我が家子供と同じ年代のお子様が二人いました。

そんな事もすごく親近感を感じました。


料理も凄かったですが温泉も最高でした。


特に貸切タイムだあった訳ではありませんが、時間帯によっては家族だけでの入浴時間を楽しませていただく事ができました。



当時の露天風呂はこんな感じでした。

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小規模な温泉民宿でしたが、料理と川出さんご夫妻のお人柄に多くの方が訪れる人気宿となりました。

温泉経営も順調に進み、1994年(H6)、民宿が手狭になったため近くに新築の温泉施設「旅館四季」を開業します。
https://noboribetushiki.eyado.net/

我が家でも早速訪ねてみました。

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女将さんと玄関前で記念撮影させていただきました。


内風呂こんな感じです。

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今までの「民宿新登別温泉荘」は施設はそのままで休業となりました。


この頃、新登別温泉は北海道を代表する登別温泉の極めて近くにありながら、閑静な環境を求める利用者で賑わい、「旅館四季」に加え2件の温泉旅館がありました。



その内の一軒は「温泉旅館いわた」でした。

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小規模ながら露天風呂もある何とも癒される温泉宿でした。


もう一軒は、旅館四季の道路向かいにあった「旅館 山紅葉」です。

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今回紹介する「民宿新登別温泉荘」は「旅館四季」開業に伴い休業していましたが、大阪に住む川出さんのお兄さんご夫婦が「新登別温泉荘」として夏期限定で営業することとなりました。

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お兄さん夫婦は弟さん思いで、創業の宿を何とか皆さんに楽しんでいただきたいと思っていたのと暑い大阪を2ヶ月間離れ涼しい北海道で過ごすことだったようです。



あの露天風呂もそのままでした。

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川出さんがお元気な時「旅館四季」を訪ね息子さんとツーショット写真を撮らせていただきました。

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川出さんの息子さんがしっかりと「旅館四季」の後を継ぎ宿を守っておられます。



しかし、その後創業者である川出さんが亡くなりました。
心からご冥福をお祈り申し上げます。



新登別温泉は我が家にとって忘れる事のない素晴らしい温泉であることに間違いありません。

温泉もさることながら料理の味もしっかりと息子さんに引き継がれていて最高であることに変わりはありません。


是非お出かけ下さい。




■「新登別温泉(民宿新登別温泉荘)」はこちらです。 ※現在、休業中。(旅館四季は絶賛営業中です!)

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