温泉と私 #37 「湯けむりの旅北海道 36/76」  美利河温泉

シリーズでお伝えしている、温泉研究家、松田忠徳氏が1987年に新聞連載記事を単行本にした「湯けむりの旅北海道(76湯)」備忘録36湯目は「美利河温泉」訪問記です。


現在「美利河温泉」と言えば今金町にある「クアプラザピリカ」を思いかべるかもしれません。
http://www.kurplazapirika.net/home.html


湯けむりの旅北海道取材の1986年(S61)5月時点で「クアハウスプラザピリカ(1990年(H2)開業)」は存在せず、その当時「美利河温泉」と言えば「奥美利河温泉 山の家」にあった温泉を指していました。



「奥美利河温泉」は国道230号から道道999号美利河二股自然休養村線を山中へ約10km入った地点にあります。

道道番号「999」が何とも秘湯感を醸し出しています。

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最初は広い道路ですが、やがて狭い道へと変わります。

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最初の頃、車が通行できる道道終点が「山の家」手前約800mでしたので、そこから山の家(温泉)まで歩いて行かなくてはなりませんでした。


その後道道が整備され「山の家」手前100m地点に駐車場ができ、訪問しやすくなりました。

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道道終点が駐車場になっていますので、そこに車を止め50m程歩くと「山の家」が見えてきます。

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こちらが宿泊棟の「山の家」です。

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そしてこちらが「山の家」下にあった温泉小屋です。

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この小屋の中に内風呂、そして裏手が露天風呂になっていました。

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本の中でも当時の露天風呂様子が紹介されています。

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※「湯けむりの旅北海道」より引用



しかし「山の家」は老朽化のため2015年から休業になり、付帯施設である温泉も閉鎖となってしまいました。
http://www.hiyama.pref.hokkaido.lg.jp/ss/srk/tabi/01imakan/parts/1102okp.htm


※その知らせを聞き、今金町役場に確認すると温泉施設そのものには特に問題がないのですが、温泉を管理していたのが「山の家」管理人だったため、その管理人が山の家閉鎖により不在となるため温泉の方も閉鎖せざるを得ないとのことでした。



野趣満点のこの湯に入れなくなったことは誠に残念です。

現時点では廃業ではなく長期休業と言うことですので再開の可能性がない訳ではありません。

できれば「湯とぴあ臼別」のような感じで季節限定で利用できるようになればと期待しています。



※湯けむりの旅北海道の取材は1986年6月5日です。
本の中で最寄りの交通機関として、赤い三角屋根の国鉄瀬棚線「美利河駅」と書かれています。

取材の翌年(1987)3月16日、瀬棚線は58年の歴史に幕を閉じ廃止となりました。

残念ながら私は美利河駅を訪ねた事がありませんが「追憶の鉄路(工藤裕之著、北海道新聞社刊)」によると、確かに赤い三角屋根の写真が掲載されていました。

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これは現在営業している「東森駅」に瓜二つということで、ここでは「東森駅」の駅舎写真で紹介させていただきます。

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※函館本線(砂原支線)「東森駅」 2011.12撮影



1976年10月撮影の国土地理院航空写真に「美利河駅」が写っています。
しかしこの写真では赤い屋根ではなく青い屋根ですね。

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また、1991年には美利河ダムが完成し周辺状況が変化している事がわかります。

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■「美利河温泉(奥美利河温泉)」はこちらです。 ※休業中

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