「観光」と私 その2

前回、10年前札幌国際大学オープンカレッジで星野リゾート星野佳路社長が話された北海道観光の将来ビジョンについて触れました。
北海道は日本一の温泉地数を誇り、その多くが大自然の中にあり多くの温泉ファンを魅了しています。
私も1988年頃から北海道の温泉地を巡り始め北海道の温泉が全国一すばらしいと思っていた一人です。
星野佳路社長もオープンカレッジで北海道の温泉を高く評価されていました。


しかし、北海道の温泉は自然に恵まれていただけに、こうした言葉で揶揄されていました。

「自然一流」「設備二流」、三四がなくて「サービス五流」・・・

正直、当たらずとも遠からずです。


これは「井の中の蛙大海を知らず」と同じかと思います。


私は25年前北海道の温泉地を99%巡り野湯を含め668箇所に入湯しましたが道外の温泉地は200ヶ所程しか訪ねていませんでした。


全国に私の知らない素晴らしい温泉が数多く存在しているのです。


温泉ファンの方で

「温泉をただ数多く巡るのは数をこなしているだけで意味がない」

とご指摘される方がいらっしゃいます。

確かにこれには一理あります。


しかし、日本の温泉は泉質的には10種類に分類されますが、その温泉環境はすべて違っています。


例えて言えばこれはミシュランの格付けと同じですべてを対象にしなければその評価は高いものになりません。


我が家でも1988年からスタートした北海道全湯めぐり後半では道外の温泉にも出かけ、北海道では体験できない温泉の素晴らしさを実感することができました。



前回お伝えした2008年11月の札幌国際大学オープンカレッジに続き、翌年10月にも札幌国際大学オープンカレッジが開催されました。

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このとき登壇されたのは大分県竹田市長「首藤勝次」様です。

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大分県竹田市と言えば名湯「長湯温泉」がある町です。
http://www.nagayu-onsen.com/index.php


実はこの長湯温泉に私は道内温泉めぐりの時から注目していて、首藤市長様がオープンカレッジに登壇される前年訪れました。

北海道には大自然のなか多くの野湯がありますが、長湯温泉の野湯といえばこちらの「ガニ湯」かと思います。
https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4453

私も10年前、しっかりと入湯させていただきました。
https://onsenmanhokkaido.seesaa.net/article/200808article_17.html




これに似た温泉環境が北海道にあるかと聞かれれば、それは即答困難です。


札幌国際大学オープンカレッジで首藤市長とお会いしたとき、ガニ湯訪問をお伝えし記念に「温泉マンタオル」をプレゼントさせていただくと後日お手紙をいただきました。

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最近、「スーパー公務員」と言う言葉が巷で囁かれています。

wikipediaによれば・・・

スーパー公務員(スーパーこうむいん)とは、21世紀型の理想的な公務員像とされる存在の通称。竹中平蔵経済研究所(TRIgger Lab.)とスーパー公務員養成塾実行委員会主催による21世紀型公務員創出プロジェクト「スーパー公務員養成塾」が提唱した。



もちろんこれには市役所、役場の一般職員だけでなく首長さんも含まれることになりますが、敢えて「スーパー首長」と呼ばせていただきたいです。

大分県竹田市長の首藤勝次さんもまさにそのお一人かと思います。


全国トップレベルの「炭酸泉」を有する「長湯温泉」の知名度向上に大いなる貢献をされ最近ではこんな取り組みを行っています。
https://tansansen.org/about/



北海道でもわが町の温泉を全国区にしたいと地道な努力と活動をされている首長さんがいらっしゃいます。


今月の10日(土)、11日(日)の二日間、道庁赤れんが庁舎2階会議室に於いて、北海道150年事業応援企画、北海道鉄道観光資源研究会「展示博覧会」が開催されました。
http://rail-hokkaido.net/archives/432

この展示博覧会は昨年に引き続き開催されたのですが、今年は会場の会議室が1つ増えたのでステージイベントが行われました。


その中の一つとして、私が担当する温泉部会として「新・湯治と鉄道」に関したパネルディスカッションを実施いたしました。

パネリストとして次の3名の方にご登壇いただきました。


お一人目は主催者である北海道鉄道観光資源研究会から代表である永山茂様です。

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お二人目はローカル線活性化の第一人者である、前いすみ鉄道社長、鳥塚亮様です。

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そして今、北海道で大変ホットな首長さんのお一人である鹿部町、盛田昌彦町長様にもご登壇いただきました。

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正直このような豪華メンバーによるパネルディスカッションを聞く機会は今後ないかも知れません。




盛田町長様は昨年の初当選以来、精力的に全国各地のまちづくり先進地を訪れ、鹿部の魅力づくりに邁進されていらっしゃいます。

町内の観光資源の一つである「間歇泉」は今年(2018)11月、北海道遺産に選定されました。
http://www.town.shikabe.lg.jp/hotnews/detail/00002085.html

また昨年開業した「道の駅 しかべ間歇泉公園」にある温泉蒸し処は北海道ではここにしかありません。
http://shikabe.jp/skk/


さらに鹿部町は「にっぽんA級グルメのまち連合」にも参加しています。
https://www.nativ.co.jp/topics/nipponakyugurume/

首長さん自ら行動することは市町村民にとってまちづくりのスピードは格段にアップするかと思います。


今回のステージイベントでは、他に増毛町長、堀 雅志様、そして安平町長、及川秀一郎様にもご登壇いただき、今後街づくりについてお話いただきました。

私にとっても今回のステージイベントは大変貴重でありとても勉強させていただくことができました。



自分の町の将来について、首長さんが自ら行動しそのまちづくりを考える・・・

これはとてもすばらしいことです。


中央省庁への予算陳情・要望も首長として大変大事な仕事です。

その一方で、少ない財源で町の資源を活用してどんな街づくりができるかを考えることも、今後地方の首長さんの大事な使命になるものと思います。

JR北海道の存続問題は決して沿線自治体のみで解決できるものではありませんが、少なくとも自分の町にある「鉄道」という資源の有効利用法だけは真剣に考えてみる必要があるのではと思っています。


乗りもしない鉄道を「貴重な住民の足だから残せ!」ではまったく現実性がありません。


今後、北海道にこうした「スーパー公務員」、「スーパー首長」が誕生することに期待している私です。


つづく・・・

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