そんな思い出深い時刻表は保管状況も悪く無残な姿です。

田舎の農家生まれの私にとって夜の娯楽はこの時刻表を使って歩く「架空の旅」でした。
道内では函館始終発の夜行列車が全盛期の頃です。

北海道から本州へは飛行機もありましたが、主役は青函連絡船を利用するルートが定番でした。
私が青函連絡船に乗船したのは昭和44年(1969)、中学3年の修学旅行でした。

実は修学旅行の前年、父が急逝します。
当時、カメラは一家に一台というレベルで、中学生個人が持てる時代ではありませんでした。
父の形見であったカメラを持参し旅行に出かけたのですが、どことなく元気がなく写っています。
修学旅行思い出写真に青森県三沢市の渋沢公園が残っていました。

当時温泉になど全く興味のない私でしたが、ここに「古牧温泉(古牧グランドホテル)」という人気の宿がありました。
それから27年、家族を持ち訪ねてみました。

当時人気の宿でしたが、カミさんが清掃面で色々苦言を言っていました。
やがて古牧グランドホテルは経営危機に陥り星野リゾートが「温泉旅館星野リゾート青森屋」としてリニュアールし人気を博します。
https://noresoreaomoriya.jp/
そんな過去に訪ねた温泉が廃業もしくは経営母体が変化してしまいました。
30代、40代の頃は一日に10湯近く入ることもありましたが、今は体力面からも精々一日多くて3湯が限界かも知れません。
今はある意味一ヶ所の温泉をじっくりと堪能するようになったと言えます。
子供も社会人になり今では夫婦二人旅で温泉に入ることが多くなりました。
カミさんは鉄道に全く興味がありませんが、美味しいものが食べられるグルメ列車には興味があります。
そんな旅を楽しめるのが北海道では道南いさりび鉄道「ながまれ海峡号」イベント列車が唯一かもしれません。
https://www.shr-isaribi.jp/nagamare/
3年前、カミさんと二人ででかけた「ながまれ海峡号」の旅は最高でした。

見た目は「海鮮丼」・・・じつはスイーツなんです。

これにはカミさんも満面の笑顔です。

車内では乗客にオリジナル記念のプレゼントがありました。

途中、上磯駅ではホームで懐かしい光景で乗客をお出迎えです。

カミさんも思わず財布の紐が緩みます(笑)

木古内駅から函館駅へ戻る際、茂辺地駅構内でバーベキューのお出迎えです。



函館駅~木古内駅間往復、約4時間の旅でしたが、函館駅に戻って来られた乗客すべての方が満面の笑顔でした。

函館駅ではカミさんが新聞社の取材を受けるオマケまでありました。

鉄道ファンであれば列車に乗るだけで満足できるかもしれませんが、それ以外の方にも鉄道に興味を持っていただけるのはこうした取り組みにあるのかもしれません。
この時の旅でもちろん温泉にも入っています。
開湯800年、北海道で一番歴史の古い温泉「知内温泉 ユートピア和楽園」です。
http://01392onsen.com/

道南らしく熱い湯が特徴です。

混浴ですが素敵な露天風呂もあります。

あれから3年、カミさんももう一度グルメ列車に乗って見たいようです。
次回乗るとしたらコチラがいいですね。
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20190702-00000245-nnn-soci
http://www.news24.jp/articles/2019/07/02/07459949.html
きっと人気集中でチケットが取れないかもしれません。
北海道のローカル線存続問題が叫ばれる昨今、単に鉄道路線の存続だけでなく、あらゆる交通媒体をシームレスに利用できる「MaaS」が今北海道で試されようとしています。
https://jidounten-lab.com/u_maas-basic-matome
移動は便利にこしたことがありません。
しかし便利な時代だからこそ敢えて「不便」を楽しむ・・・
これは新時代の旅スタイルかもしれません。
そう考えると北海道の交通の未来が明るく思えてきました。
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