二股らぢうむ温泉

二股ラジウム温泉と聞き、皆さんはどんなイメージをお持ちでしょうか?

湯けむりの旅北海道_巻頭画像-04_二股ラジウム温泉.jpg

もしかするとそれは「万病に効く温泉」というイメージかも知れません。

しかし現在、ここの温泉が「○○に効く」とか「○○の病気が治る」というはいう謳い文句はNGなのです。

それは「薬事法」という法律に抵触するからです。

そうした表記が許されているのは「医薬品」扱いになっているものなのです。



ただし、温泉(療養泉)には適応症と言われるものがあり、それは温泉分析書別表に掲載されており、この表記は薬事法には抵触しません。


さて、二股ラジウム温泉の話に戻ります。

名前に「ラジウム」の文字が入っていますが二股温泉の正式な泉質名は「ナトリウム・カルシウム-塩化物泉」であり放射能泉ではありません。


では放射能泉でないのでその効果があまりないのでは・・・・


との疑問を感じる方もいらっしゃることと思います。


ここで温泉分析表に表示されている内容について少し掘り下げてみたいと思います。

5年前に訪れた際の温泉分析書、温泉分析書別表です。

20140506_794_二股ラジウム温泉・温泉分析表.jpg
20140506_796_二股ラジウム温泉・温泉分析表別表.jpg

温泉分析書の(ト)ラドン(Rn)欄を見ると5.80Bq/kgとあります。
これをマッヘ単位に変換すると「0.43マッヘ」となります。

放射能泉として認定されるには、温泉水1kg中にラドンを3ナノキュリー( = 8.25マッヘ単位 = 111ベクレル)以上含有とあるため二股ラジウム温泉は放射能泉として認められません。


では、それほど効果のない温泉なのでしょうか?


ここで全国的に有名なある温泉の例をご紹介します。

世界に2ヶ所かしか存在しない「北投石」で国内唯一有するのが秋田県にある玉川温泉です。
人伝で「癌が治る温泉」として有名です。

しかし玉川温泉の正式泉質名は「酸性-含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)-塩化物温泉(酸性・等張性・高温泉)」でありラドン含有量も0.76マッヘで「放射能泉」ではありません。

温泉法では、温泉分析書作成にあたりその成分は源泉湯口から採取したもので判定しているため、あくまでも源泉成分が中心となります。

玉川温泉は源泉効果よりも岩盤浴周辺から発せられるラジウム放射量に効果があるといわれています。

20170623_182_岩盤浴テントを望む.JPG


放射能泉と他の泉質違いは「ホルミシス効果」にあると私は感じています。

11年前訪ねた三朝温泉「株湯」です。
※9年前の2010年4月、リニューアルとなりました。

30_三朝温泉20080722_株湯・全景.jpg
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そしてこちらは2年前に訪ねた玉川温泉天然岩盤浴です。
20170623_170_岩盤浴へ-北投石前-温泉マン.JPG
20170623_194_岩盤浴状況.JPG




「ホルミシス効果」とは・・・
※三朝温泉温泉公式サイトより引用 https://spa-misasa.jp/radium/

身体の治癒力を高める
三朝温泉の「放射線ホルミシス効果

放射線のホルミシス効果とは、身体が微量の放射線を受けると細胞などが刺激を受けて、その働きを活性化させ、毛細血菅が拡張し、新陳代謝も促進、免疫力や自然治癒力を高めることです。三朝のラジウム泉は、人聞の身体にこのホルミシス効果を与えるとして有名であり、近年そのメカニズムが解明されてきています。メディア等にもとりあげられ、全国的な注目度も高まっています。



放射能泉の場合は入浴はもちろんですが、温泉地に滞在しているだけで放射能効果を得られるという点です。

他の泉質の場合は基本的にその湯に入らないと得られない効果と言えます。


二股ラジウム温泉の現在は昔の面影はありませんが、北海道屈指の名湯であることは昔も今も変わりないと私は感じています。
https://onsenmanhokkaido.seesaa.net/article/201808article_25.html

建物はリニューアルされましたが温泉効果は今も変わりないと私は思っています。

20140506_二股ラジウム温泉・裏手の石灰ドーム-640.jpg


リニューアルによって昔と違い女性専用の浴室が誕生したことは女性の方も入浴しやすくなったのではと感じています。

しかしながら多くの浴槽は今まで通り混浴ですので女性の方々にとって敷居が高い点は変わりないですね。


二股らぢうむ温泉と言えば混浴露天風呂ですね。

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そして北海道では珍しい深い浴槽の「立ち湯」ですね。

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私の身長は184cmありますが立ったまま入浴するとこんな感じです。


そして私が一番気に入っているのはこちらの寝湯です。

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この寝湯の湯温は37.6度です。

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ホルミシス効果を得るには長時間入浴できるこちらの浴槽がオススメです。


温泉施設の風情や趣だはとても大切ですがそれに拘っていては生き残れない可能性が大です。


湯の質を考えると建物の変遷は経営上いたしないことかもしれません。

廃業になるよりは経営的に維持可能なレベルで存続いただける方がありがたいですね。


「病は気から・・・」

いわゆるプラシーボ効果と言われるものです。
私には何か感じるものがあります。

他人がどうこうではなく、本人が良いと感じればそれが一番の湯かと思います。

近いうちに再訪したいと考えています。

この記事へのコメント

  • 道南住人

    記事を読んでなるほどと感心しました。
    私の友人に道南で建設業の社長がいるのですが、
    疑問に思った彼はガイガーカウンターを手に、
    二股に向かい実際に計測し反応が無かったとガッカリしてました。
    私も彼からの報告後には以前のような期待感を持てずに、
    二股からは離れていましたが、そうですよね。
    数値化されているの物が全てでは無いと私もそう思います。
    私も最悪だった腰の痛みを普通に歩けるぐらいまで、
    二股のおかげで取ることが出来た過去があります。
    今一度、二股温泉を見直さなければいけないですね。
    2021年01月01日 07:57

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